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認知症を予防しよう!効果的な食べ物やトレーニングを紹介!

認知症は誰がなってもおかしくない時代になりました。2025年には、65歳以上の5人の1人が認知症になるといわれています。

そのため、「将来に向けて認知症の予防をしたいけど何をしたらいいの?」「認知症の予防に効果的な食べ物やトレーニングが知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、認知症の予防をしたいと考えている方のために、予防法や効果的な食べ物、トレーニングなどを紹介します。

目次

認知症の予防が大切な理由

認知症の種類によっては、比較的若い年齢のうちからゆっくりと進行していくものがあります。少しずつ少しずつ認知機能が落ちていき、ある日「何かおかしいな」と気がつくのです。誰もが認知症になる可能性があるため、早いうちから予防に取り組む必要があります。

認知症の危険因子である「加齢」は誰にも避けられない

年を取ると、認知機能は自然と衰えていくものです。65歳以上の高齢者では約17~18%、85~89歳では約40%、90歳以上では約60%の方が認知症だといわれています。

認知症は、脳に異常なタンパク質が蓄積したり脳梗塞や脳出血などによって起こるものです。高齢になると蓄積したタンパク質の影響が出てきたり、脳梗塞や脳出血を起こしやすくなるため認知症の方も増えてきます。

認知症を根本的に治療する方法がない

認知症の予防が大切なのは、根本的な治療法がまだないことも大きく影響しています。ドネペジルやガランタミン、メマンチンなどの治療薬がありますが、どれも症状の進行を遅らせるだけであり、認知症そのものを改善することはできません。認知症に一度なってしまうと、一生治ることはないのです。

認知症の予防はいつから始めるべき?

「認知症の予防を始めたほうがいいのかな?」と思ったときが始めどきです。認知症のなかでもっとも患者数が多いアルツハイマー型認知症は、アミロイドβというタンパク質が脳に蓄積することが原因で発症すると考えられています。このアミロイドβは、長い年月をかけて徐々に脳へ影響をもたらすため、なるべく早めに予防を始めることがおすすめです。

認知症を予防する6つの方法

では、どのようにすれば認知症を予防できるのかについて詳しく見ていきましょう。ここでは、今日からでも始められる予防法を6つ紹介しています。

①定期的に運動(トレーニング)を行う

30分以上の運動を週2~3回行うことで、認知症の発症を減らせることがわかっています。運動といっても、ジムに通って激しい運動をする必要はありません。近所を散歩したり軽くジョギングをしたりする程度でOKです。

②バランスのよい食事を心がける

認知症は、脳血管疾患も原因となって起こるものです。脳梗塞や脳出血を予防するためには、高血圧や糖尿病、脂質異常症にならないようにする必要があります。そのためには、バランスのよい食事を心がけることが大切です。肉だけでなく魚を食べ、ビタミンやミネラルをしっかり摂取しましょう。

③社会活動に参加する

積極的な社会活動への参加は、認知症の発症予防につながります。アメリカのアルベルト・アインシュタイン医学校で行われた研究によると、追跡した469人のうち、124人が中央値5.1年で認知症を発症しました。楽器の演奏や読書、ボードゲームなどを行っていた方では認知症を発症するリスクが少なかったことがこの研究でわかっています。積極的に社会活動に参加したり、何か趣味をもったりすることで認知症の予防につながるでしょう。

④禁煙する

脳の血管障害によって起こる認知症を脳血管性認知症といいます。脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などにより脳の機能に影響が出ることで発症するものです。喫煙は血管を収縮させたりダメージを与えたりするため、脳梗塞や脳出血のリスクを高めてしまいます。

そのため、脳血管性認知症を予防するためには、禁煙することが大切です。自力での禁煙が難しい方は、禁煙外来に通ったり市販されている禁煙パッチやガムを活用するとよいでしょう。

⑤適切な体重を維持する

40歳から64歳までの中年期に肥満になると、認知症の発症リスクが上昇します。アルツハイマー型認知症の方のうち5%は肥満が関係しているため、肥満の方は適切な体重維持を心がけましょう。BMIが25以上ある方は肥満です。肥満は糖尿病や脂質異常症など生活習慣病の原因にもなります。普通体重であるBMI18.5以上25未満を保つようにしてください。

⑥減塩を心がける

脳血管障害の原因となりやすいのが高血圧です。高血圧を防ぐために、まずは減塩を心がけましょう。塩分を摂りすぎると血液中の水分量が増え、一度に押し出す血液量が増えるため血圧が上がってしまうのです。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人男性で一日7.5g未満、成人女性で6.5g未満に塩分摂取量を抑えるようにとしています。日本人は塩分を摂りすぎている傾向があるので、ラーメンの汁を残したり漬け物を控えたりして塩分量を抑えましょう。

認知症の予防に効果が期待されている食べ物

認知症の予防に効果があるとされている食べ物もいくつかあります。スーパーで簡単に手に入るものもありますので、ぜひ普段の食卓へ取り入れてみてください。

大豆製品

納豆や豆腐などの大豆製品には、ホスファチジルセリンという成分が豊富に含まれています。ホスファチジルセリンは、認知症患者の認知能力を改善させることがわかっている成分です。

ただし、ホスファチジルセリンは大豆にわずか0.003%しか含まれていません。一日に推奨されているホスファチジルセリンを摂取するには納豆約100パック分に相当するため、サプリメントを活用したほうが効率的です。

青魚

青魚には、DHAやEPAが豊富に含まれています。DHAは、認知症の原因であると考えられているタウタンパク質のもつれを減少させることが可能です。約2gのDHAを6か月間にわたり摂取したアルツハイマー病の患者さんで、タウタンパク質の減少が見られました。

また、EPAは脳卒中の予防に効果があることがわかっています。EPAをはじめDHAは脳卒中の発症だけでなく、認知症の進行速度にも関係しているため、青魚はぜひ積極的に食べたいものです。

コーヒー

コーヒーには、ポリフェノールの一種であるフェルラ酸という成分が含まれています。抗酸化作用をもつことから酸化防止剤としても使われていますが、実は認知症の予防とも大きな関係がある成分です。

フェルラ酸には、海馬の毛細血管の密度や直径の減少を防ぐ効果があります。アルツハイマー病による認知機能の低下を食い止める効果があるのではと期待されているため、今後もフェルラ酸については研究が進められていくでしょう。

ヤマブシタケ

ヤマブシタケとは、日本や中国に生息する食用のきのこのことです。アミロバンという成分を含んでいることで知られています。ヤマブシタケを軽度認知障害の日本人に摂取してもらったところ、認知機能の改善が見られました。

アミロバンのほかに、記憶維持に欠かせないヘリセノンが含まれていることも特徴です。さまざまな成分を含むヤマブシタケですが、見つけることが困難なため、「幻のキノコ」といわれています。

カレー

カレーに含まれているクルクミンは、認知障害やアミロイドβの蓄積を抑える働きがある成分です。アミロイドβは、脳に蓄積することでアルツハイマー病を引き起こすと考えられています。アミロイドβと直接結合することで、凝集や繊維形成を防ぐことができるのです。

イチョウ葉エキスも認知症の予防に期待されている

イチョウ葉エキスは、アルツハイマー病の予防に効果があるといわれている成分です。アミロイドβの凝集やタウタンパク質の調節などを行うことで認知症を予防します。記憶力を維持するとうたったイチョウ葉エキス配合のサプリメントも実際に販売されていることから、大きく注目されていることがわかるでしょう。

そのほかの認知症の予防方法

認知症の予防には、音楽療法や回想療法なども効果があります。こちらもすぐにできるものですので、気になる方はぜひ始めてみてください。

音楽療法

音楽療法の方法はとても簡単です。音楽を聴いたり演奏したりするだけで、認知機能の維持に効果があります。楽しみながらストレスを軽減したり脳を活性化したりできることから、苦なく毎日続けることができるでしょう。

回想療法

回想療法とは、自分の過去を見直すことです。自分自身の記憶について思い返すことで、気持ちが穏やかになり、さらに脳の血流をよくできます。

こんな症状があったら認知症かも?

下記のような症状があったら、認知症の一歩手前である軽度認知障害(MCI)かもしれません。

  • 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
  • 本人または家族による物忘れの訴えがある。
  • 全般的な認知機能は正常範囲である。
  • 日常生活動作は自立している。
  • 認知症ではない。

引用:軽度認知障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

認知症とまではいかないものの、明らかに記憶力が低下している場合は認知症の前段階である可能性があります。軽度認知障害のうち年間10~15%の方は認知症に移行するので注意しましょう。

認知症は早期発見・早期治療と予防が大切

残念ながら現代の医療技術で認知症を根本的に治療することはできません。そのため、軽度認知障害の時点で異変に気づき、対策を行うことが重要です。

また、とくに症状がない場合でも日頃から予防をしておくことで数十年後の自分を守ることができるでしょう。治療法がない以上、予防に加えて早期発見と早期治療がとても大切です。

まとめ

認知症の予防には、運動やバランスのよい食事、社会活動への参加や禁煙などが効果があります。一度にすべてを行うのは難しいと思いますので、まずは無理なくできそうなものから始めてみましょう。

また、青魚や大豆製品、コーヒーやカレーなどに含まれている成分が認知症の予防に効果的であるという研究データも出ています。食事として取り入れるのが難しい場合は、サプリメントなどをうまく活用すると続けやすいでしょう。

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